[ネタバレ注意]『しょせん他人事ですから ～とある弁護士の本音の仕事～』第3巻｜誹謗中傷されたアイドルが炎上に対して出した答えは…？
今回は、炎上や誹謗中傷に対して「する側」と「される側」の両面を目の当たりにすることができる『しょせん他人事ですから ～とある弁護士の本音の仕事～』、その第3巻の見どころ&感想記事です。
（※ネタバレを含みます。）
その表紙がこちら。
『我武者羅』という掛け軸を掛けた、星川法律事務所の“ドラゴン星川”こと星川龍太郎先生が勢いよく表紙を飾っています。
彼はこの第3巻で初登場となる弁護士で、保田先生とはまた違った意味でキャラの濃い弁護士の先生なんですよね。
〜追記〜
第4巻以降の最新記事一覧はこちら↓
『しょせん他人事ですから』の記事一覧
さて、この第3巻では前巻から続く「双子アイドル歌手炎上編」に加え、2022年10月1日に施行予定の「プロバイダ責任制限法」に関する説明と、ライブ配信を荒らして情報開示請求をされた中学生のエピソードが収録されています。
どれもが炎上や誹謗中傷によるトラブルを様々な視点から見ることができるだけでなく、かなり勉強になるような内容も合わせて描かれていたので、おもしろい上にためになる1冊となっていましたよ。
今回の記事では、そんな『しょせん他人事ですから ～とある弁護士の本音の仕事～』の第3巻の見どころを、感想も含めてまとめてみました。
ネタバレを含みます。ご注意ください。
もくじ
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『しょせん他人事ですから』2巻の振り返り
以下の記事に『しょせん他人事ですから』第2巻の見どころをまとめています。
『しょせん他人事ですから』3巻（11話〜）の見どころ&感想[ネタバレ]
それでは、さっそく第3巻の内容に入っていきましょう。
依頼者の妹から情報開示請求をやめたいと電話が！？
この第3巻は前巻の続き、双子アイドル「ヌーヌー」の妹・リホから保田先生の元に「情報開示請求をやめたい」と電話が入るところから始まります。
彼女がそんな申し出をしてきたのは「ヌーヌーを中心に誹謗中傷が誹謗中傷を呼ぶ状況が生まれている」からでした。
しかし先生はそれを聞いて「依頼者はお兄様なのでそのお願いは受けらない」とキッパリ断ります。
ただそれで彼女は諦めたりせず、「リオに『ヌーヌー』を1人で背負わせない」ため、ファンや世間のみんなに「自分の言葉を伝える」ために記者会見を開いたのです。
そしてこの記者会見をきっかけに、炎上や誹謗中傷は一気に収束へと向かうことになります。
「誹謗中傷をする人にはしっかりとした制裁を与えるべき」とは思いますが、確かに関係のない第3者が誹謗中傷した人をおもしろ半分で叩くのはおかしいですよね。
普段人を笑顔にしているアイドルだからこそ、自分の手の届かないところで不幸が生まれているのに耐えられなかったのかもしれません。
炎上当初は過呼吸を起こしてしまったり塞ぎ込んでいたリホですが、無理をしているリオのために立ち上がった彼女の姿はすっかり元のトップアイドルに戻っていました。
誹謗中傷に悩むリオが記者会見で伝えたこととは？
記者会見を開いたリオが一番伝えたかったこと、それは「ヌーヌーがみんなの笑顔の中心にいないのはヌーヌーじゃない」ということでした。
しかし、それを聞いた記者から「それはつまり情報開示請求はやめるということですか？」と質問されると、彼女はそれに対して「いいえ、やめません」とはっきり答えたのです。
その理由は「今やめてもやめなくても何もよくならないのに、やめたらそういう前例を作ってしまう」から。
そんな彼女の説得力のこもった言葉と単独ライブ配信での歌は多くの人の心に響き、徐々に彼女たちに対する誹謗中傷も、その誹謗中傷をした人を叩く流れも無くなっていったようです。
そしてこの「双子アイドル歌手炎上編」は、完全復活したヌーヌー2人の武道館ライブで締めくくられていました。
記者会見で「情報開示請求をやめる」と言うならそれは甘い気がしていたのですが、「前例を作らないためにやり通す」というのは一番“まっすぐ”な判断なのではないかと思います。
第3者が事を荒げなくても、誹謗中傷をした人とされた人の間で解決できればそれが一番ですよね。
ただ、前巻で登場した「会社のパソコンから炎上に加担していた50代のおじさん」は、会社や同僚にもバレてクビになり家族に土下座をする様子が描かれていました。
正義感を振りかざして“悪”に制裁を与えるのは気持ちがいいものかもしれませんが、自分に関係のないことには首を突っ込まないのが一番ですね。
配信者の放送を荒らした中学生に情報開示請求が！
この第3巻の後半では、ゲーム実況配信者のライブ配信を暴言や誹謗中傷で荒らして情報開示請求をされた男子中学生が依頼人として保田先生のもとにやってきます。
彼は「親バレすることなく問題なく終わらせたい」と言うのですが、先生は彼が未成年なため「弁護士に依頼する段階で絶対に親バレする」「認めて誤った法が合理的」と伝えます。
すると彼は捨て台詞を吐いて去っていき、次に泣きついた先がネット広告で見つけた表紙の星川先生の法律相談事務所でした。
彼の話を聞き、「弁護士への依頼に絶対必要な両親の同意を得るその勇気の一歩が踏み出せれば一緒に戦おう」と言う星川先生。
その言葉に背中を押された男子中学生は家に帰ってから両親に土下座をして事情を説明し、なんとか両親の同意を得て星川先生に依頼をすることができたようでした。
この第3巻では依頼成立までが描かれ、実際に星川先生の活躍が見られるのはまた次巻となります。
はたして、保田先生とはまた違うキャラの濃さを持つ彼は、一体どんな弁護をしてくれるのでしょうか？
これまでとは違った展開になるであろう次巻のエピソードにも注目です。
まとめ
上記では割愛しましたが、この巻には保田先生が「2022年10月から施行予定の“改正”プロバイダ責任制限法」に関して講義をするエピソードが収録されています。
僕は知らなかったのですが、今のプロバイダ責任制限法って2001年に成立されたものなんですね。
SNSなど一切なかった時代に成立された法律で、弁護士さんたちが現代のSNSトラブルを扱う案件と闘っているのは意外でしたし、これまで様々な面で苦労することもあったのではと思います。
「10月からどのように変わるのか」も含む内容に関しては、保田先生が簡潔にまとめてはくれているもののまだ難しいので、興味がある方はぜひご自身でこのエピソードを読んでみてください。
「今すぐそのシーンを読んでみたい！」という方は以下の記事にこの『しょせん他人事ですから』第3巻を無料、またはお得に読める方法をまとめているので、ぜひご活用ください。
さて、そして次巻ではいよいよ保田先生と星川先生の絡みが描かれることになるようです。
予告には星川先生が電話越しにすごい圧で暑苦しく保田先生に挨拶をするシーンが掲載されており、弁護士として対照的な2人の先生がどんな会話を繰り広げるのか楽しみですね。
荒らしをした中学生の案件の解決も含めて、次巻の展開にも期待が高まります。
追記：『しょせん他人事ですから』4巻（16話〜）の感想記事
以下の記事に続く16話以降が収録された『しょせん他人事ですから』第4巻の見どころをまとめています。
合わせてごらんください。
以上、『しょせん他人事ですから』第3巻の見どころ&感想記事でした。
ありがとうございました。
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