[ネタバレ注意]『死役所』第18巻|様々な“死”からその人が“どう生きたか”が描かれていく

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今回は、「死役所」に訪れた人たちの“死んだ後”ではなく、“死ぬ前”の行動が印象的なエピソードが3つ収録された『死役所』第18巻の見どころ&感想記事です。
(※ネタバレを含みます。)

その表紙がこちら。

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スマホを手に持つシ村さんの前に、可愛らしい服を着てノートを抱えている女の子が描かれています。

実は彼女、いわゆる「家出少女」であり、彼女がメインとなるエピソードは非常に考えさせられる内容となっていました。

 

〜追記〜
第19巻以降の最新記事一覧はこちら↓
『死役所』の記事一覧

 

それに加え、この第18巻では「エンディングノートを残して亡くなった女性」と「死ぬまで交換ノートを続けた老夫婦」のエピソードが収録されており、今回も様々な視点から“人の死”を見つめることができる1冊となっていましたよ。

 

今回の記事では、そんな『死役所』の第18巻の見どころを、感想も含めてまとめてみました。

ネタバレを含みます。ご注意ください。

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『死役所』17巻の振り返り

前巻の内容を振り返りたい方は、以下の記事に『死役所』第17巻の見どころをまとめているので、こちらから先にご覧ください。

[ネタバレ注意]『死役所』第17巻|人の死を通して生きる意味や勇気をもらえるマンガ

 

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『死役所』18巻の見どころ&感想[ネタバレ]

それでは、さっそく第18巻の内容に入っていきましょう。

少女が家出をし死を望むようになった悲しい理由とは

表紙の少女・船田朱果さんは、自分の家には帰らずSNSで泊めてくれる人を探す“家出少女”でした。

そんな彼女が「死役所」に来た理由、それは泊めてもらった男性に自分を殺すように頼み、相手がそれを実行したからでした。

なぜ彼女が家出をするようになり、挙句の果てには死を望むようになってしまったのか。

それは、中学生だった彼女の兄が同級生をいじめて自殺させたことが全てのきっかけだったのです。

その自殺が明るみになった後、兄はその同級生の父親に車で轢かれて殺されたのですが、それが大きくニュースに取り上げられたことが原因で、彼女は学校で居場所がなくなり家にはマスコミが大量に押しかけてくるようになりました。

そしてその後、両親の離婚、母親の自殺未遂を経て、彼女は家を飛び出しずっと抱えていた「死にたい」という想いを、自殺ではなく「殺してくれる人」に託すことにしたようです。

こうして全てに納得した上で「死役所」に来た朱果さんでしたが、成仏する前にはシ村さんに涙を見せ、これまでの苦しみと好きだった兄への思いを打ち明けていました。

 

このエピソードは第18巻のほぼ半分を占めており、上記の見どころのまとめではかなりな部分を割愛して書いています。

最初は単なる「身を売って生活をする家出少女の話」だと思っていただけに、その背景や抱えていた過去を知った時はそれまでの彼女に対する見方がガラッと変わりましたね。

個人的には朱果さんと彼女を殺すことになった男性との奇妙な関係の描写が印象に残っているので、ぜひそちらはご自身の目で読んでみてほしいです。

 

エンディングノートで前向きな“死”を迎えた女性

2つ目のエピソードでは、死後に自分の思いを伝えるために書く“エンディングノート”を仕上げて亡くなった1人の女性が描かれます。

最初は前向きな気持ちでノートを書いていく彼女の様子が描かれていたのですが、書き上げた描写のすぐ後に亡くなってしまったのには驚きましたね。

ただ「死役所」に来た本人は「お父ちゃん待っとってな〜」と一切の未練がない様子でしたが、やはり残された者は素直に全てを受け入れられるはずもなく、涙を流しながら無念さをノートにぶつけたりもしていました。

また個人的には、病気になり夫にも先立たれた人生を終えて清々しそうに「死んでよかったと思ってる」という彼女が“自殺”という言葉を嫌って口にした、「これは自分で選んだ死、選択死やって!」という言葉がかなり印象的でしたね。

暗いイメージのある“死”に前向きに向き合い、きちんと“準備”を終えて明るい最期を迎えた彼女には尊敬の念すら覚えます。

 

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まとめ

この第18巻は前半は暗く重たく、後半は温かみを感じるような“死”のエピソードが収録されていましたね。

また、この記事では割愛しましたが3つ目の「最期まで交換ノートを続けた老夫婦」のエピソードも、旦那さん視点でその日記をめくりながら彼ら夫婦の日々に思いを馳せるように描かれており、ずっと仲が良く支え合っていた2人の様子にほっこりとさせられました。

今回の『死役所』第18巻はプラスの意味でもマイナスの意味でも心に刺さるシーンが多かったように思えます。

ただ、次巻第19巻の予告では打って変わって「“特殊詐欺”に手を染める息子」が描かれていたので、それがどんなエピソードで、どんな“死”へと繋がっていくことになるのかが気になりますね。

楽しみと言うと違うような気もしますが、次巻の発売も今から待ち遠しいです。

 

追記:『死役所』19巻の感想記事

以下の記事に『死役所』第19巻の見どころをまとめています。

合わせてご覧ください。

[ネタバレ注意]『死役所』第19巻|特殊詐欺は死に金を使って経済を回す高尚な仕事なのか…?

 

以上、『死役所』第18巻の見どころ&感想記事でした。
ありがとうございました。

 

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