[ネタバレ注意]『親愛なる僕へ殺意をこめて』最終第11巻|二重人格クライムサスペンス、ついに完結!
今回は、累計70万部を突破し堂々の完結を迎えた二重人格クライムサスペンスマンガ『親愛なる僕へ殺意をこめて』、その最終第11巻の見どころ&感想記事です。
(※ネタバレを含みます。)
その表紙がこちら。
これまでの表紙のように2つの表情が重なることなく、清々しい表情を見せるB一(エイジ)が描かれています。
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〜追記〜
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さて、今回で“復讐”と“二重人格”をテーマに描かれてきたクライムサスペンスマンガ『親愛なる僕へ殺意をこめて』は完結となります。
前巻第10巻では殺人鬼・LLの正体が明らかになりましたが、最終巻となるこの第11巻では主に謎に満ちた京花ちゃんのこれまでの行動の真意が語られていきます。
浦島エイジとB一の人格統合を企み、エイジの人格を殺した彼女の真の目的とはいったいなんだったのでしょうか?
今回の記事では、そんな『親愛なる僕へ殺意をこめて』最終第11巻の見どころを、感想も含めてまとめてみました。
ネタバレを含みます。ご注意ください。
もくじ
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『親愛なる僕へ殺意をこめて』10巻の振り返り
以下の記事に『親愛なる僕へ殺意をこめて』第10巻の見どころをまとめています。
[ネタバレ注意]『親愛なる僕へ殺意をこめて』第10巻|ついに殺人鬼・LLの口から真相が語られる…
『親愛なる僕へ殺意をこめて』最終11巻の見どころ&感想[ネタバレ]
それでは、さっそく第11巻の内容に入っていきましょう。
殺人鬼・ LLに対しB一が出した“復讐”の答えとは
全巻の最後、殺人鬼・LLだった浦島貴一によるLL事件の真相を聞き終え、彼に向けて拳銃を3発発砲したB一。
しかしその弾は、貴一の頭の横の床に向けて放たれていました。
彼はこれまで自分の人生の全てを捧げてきたこの“復讐”において、最終的に“殺人鬼・LLを殺さない”という答えを出したのです。
その後、彼は警察に連行される際にこれまでの2人の会話を録音した携帯を渡し、浦島貴一の逮捕という形で彼の“復讐”は区切りを迎えました。
そしてこれは少し後の話になるのですが、B一は「自分が浦島貴一を殺すことで“悪意のバトン”を繋ぐ、それを浦島貴一が望んでいる気がしたから殺さなかった」と語っていました。
「殺して終わり」の復讐劇ではなく、親の仇から感じ取った“悪意”に向き合い「生かす」という選択をした彼の言葉だからこそ、重く響くものがありますよね。
京花ちゃんが『エイジ』を殺した日、2人は何を話したのか
B一の逮捕から1年後、彼は京花ちゃんが起こした事件の証人として法廷に立っていました。
そしてそこで彼は、彼女が『エイジ』の人格を殺した日に2人の間でどんなやり取りがあったのかを順に語り始めます。
京花ちゃんがエイジに、LLの正体が彼の父親の浦島貴一で、彼女の目的が『B一』と『エイジ』の人格統合で、さらには『エイジ』の方が15年前に作り出された人格である、という事実を打ち明けていたこと。
それを聞いたエイジが、彼女が無意識のうちにLLの意思に反しており、彼女の本当の目的が「ずっと誰かに認めて欲しかった」ということだと明かしていたこと。
そしてその上で、自分の“救い”だった京花ちゃんを暗闇から“救い”出したいと、「君を許す」「君を恨んだりしない」「俺に死んでほしいなら喜んで死ぬ」と言い残して、自ら自分の人格を消滅させたこと。
以上のことが、白菱家で京花ちゃんが浦島乙に襲われるまでに起こっていた事実です。
B一が最初に警察に捕まって以降『エイジ』への人格交代が起こらなかったのは、彼自身が自らの存在を消していたからだったんですね。
情けない姿を描かれることが多かった『エイジ』ですが、たとえそれがどんな人でも最期まで好きになった人のことを想っていた姿はカッコよかったです。
京花ちゃんがB一にLLの正体を伝えようとしていた理由が明かされる
物語の最後に明かされた謎、それは「なぜLLの心棒者である彼女がLLの正体をB一に伝えようとしていたのか?」でした。
結論から言うと、それは『エイジ』の人格を戻すためだったのです。
エイジが最後に残した言葉が彼女を変え、もう一度『エイジ』に会いたいという想いから、彼女は「B一がLLへの復讐を終えたら存在意義がなくなり、その空いた体に『エイジ』が戻ってくるかもしれない」と考え、B一に復讐を果たさせようとしたのです。
しかし全てが終わっても『エイジ』は戻って来ず、法廷でB一が放った「死んだ人間は二度と戻って来ない」「殺したのはお前だ」という言葉を聞いて、彼女は“痛み”を取り戻しその場で泣き崩れました。
B一によって“復讐”のために生み出され、好きな人の“救い”となるために死んだ『エイジ』。
そんな彼が残した“もの”が明らかになり、最後に“その後”の様子が描かれてこの物語はおしまいとなります。
まとめ
前巻第10巻はこの作品の答え合わせのような巻でしたが、この最終巻はこれまでのストーリーに意味を持たせるような、全ての出来事を繋げていくような、そんな印象を受けた1冊でした。
ストーリーの空白部分が全て埋まった今、改めてもう一度この『親愛なる僕へ殺意をこめて』を最初から読み返したくなりましたね。
二重人格ゆえにどちらかの行動しか描かれないというストーリー展開は、クライムサスペンスマンガとして他にはない面白さと謎の深さを生み出していたと思います。
原作担当の井龍一先生、漫画担当の伊藤翔太先生、素晴らしい作品をありがとうございました。
お二方の次回作も楽しみです。
以上、『親愛なる僕へ殺意をこめて』第11巻の見どころ&感想記事でした。
ありがとうございました。
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