[ネタバレ注意]『替霊~カエ・ダマ~』第1巻|『不能犯』の宮月新がおくる、地下室に監禁された少年たちの極限サスペンス!
今回は、7年間も地下室で暮らしてきた少年・勇が、謎の薬をきっかけに外の世界の真実へ近づいていく『替霊~カエ・ダマ~』第1巻の見どころ&感想記事です。
※この記事には第1巻のネタバレが含まれます。
その表紙がこちら。
円の中に寝そべった少年少女たちが、こちらをじっと見つめているような構図になっています。
彼らが見上げているのは、監禁されている地下室の天井に開いた穴で、この子どもたちは外の情報を遮断されたまま暮らしているんですよね…。
第二次世界大戦を背景にした物語ということで、最初は戦争を題材にしたマンガなのかと思っていましたが、読んでみると非常に読みごたえのあるサスペンスでした。
ちなみに本作は、『不能犯』『シグナル100』など数々のサスペンス作品で原作を手掛けてきた宮月新先生の新作で、作画は津上昌也先生が担当されています。
宮月新先生らしい特殊な能力も登場し、第1巻から先の読めない展開が十分に楽しめます。
子どもたちを閉じ込めているのは、彼らがお父様と呼ぶ村の医師ですが、その目的は何なのか?
勇たちは地下室から逃れることができるのでしょうか。
今回の記事では、そんな『替霊~カエ・ダマ~』の第1巻の見どころを、感想も含めてまとめてみました。
ネタバレを含みますので、ご注意ください。
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『替霊~カエ・ダマ~』のあらすじ
以下に『替霊~カエ・ダマ~』のあらすじを載せておきます。
第二次世界大戦下…お父様の言いつけで、4人の弟妹たちと地下室で暮らす青年・勇。
お父様が持ってくる数少ない物資しかなく、空腹にあえぐ子供たち。
そんな中、お父様が鍵をかけ忘れたことにより、水を求めて地下室を出る勇だったが、そこには地下空間が広がっていて、ある小部屋で大量に並ぶ薬瓶を発見するのだが――!?
『替霊~カエ・ダマ~』1巻(1話〜5話)の見どころ&感想[ネタバレ]
それでは、さっそく『替霊~カエ・ダマ~』第1巻の内容に入っていきましょう。
7年間の地下生活から、勇がお父様に疑いを抱き始める
物語は、勇が4人の幼い弟妹たちと地下室で暮らしているところから始まります。
お父様によれば、外ではまだ戦争が続いており、毒ガスなどの危険があるため出てはいけないとのことで、勇はその言いつけを守って7年間も地下室から出ていませんでした。
外の情報は一切入らず、お父様の話だけが世界を知る手段になっているのです。
お父様は、戦場で拾った赤ん坊だと説明して新しい子どもを連れてくることもあり、勇はそうした子どもたちの世話をしていました。
しかし、真夏でもお父様が来るのは週に一度ほどで、運ばれてくる食料や水だけでは十分に暮らしていける状況ではありません。
外は危険だと言いながら、なぜこんな状態の地下室に子どもたちを閉じ込め続けているのか、この時点からお父様の目的が見えない不気味さがありましたね…。
やがて地下室の井戸が壊れて水がなくなり、熱を出して倒れたヨツ子は、そのまま亡くなってしまいます。
命に関わる状況でも子どもたちが放置される中、お父様が鍵をかけ忘れたことをきっかけに、勇は地下室の外へ出ることになります。
そこで発見したのが、大量の薬瓶が並べられた部屋でした。
瓶の一つに入っていた薬液を飲んだ勇は、気がつくと見知らぬ老人の体に入り込んでいたのです。
さらに、その家のラジオからは、すでに終戦から7年が経ち、GHQによる占領も終わったという情報が流れてきます。
お父様の話とまったく違う状況に置かれた勇でしたが、そこへ訪問診療にやってきたお父様を目撃したところで、自分の体へ戻ってしまいました。
何が起きたのか理解できない勇は、後に地下室へ来たお父様が、老人の家で見たのと同じ持ち物を持っていることに気づきます。
老人の家での出来事と、ラジオで聞いた終戦の話がつながり、お父様が語る外の世界に疑いを抱き始めるんですよね。
お父様が何かを隠していそうだとは感じていたので、戦争が終わっていたことには、やっぱりという気持ちもありました。
ただ、それ以上に気になるのは、なぜ戦争が続いていると嘘をつき、子どもたちを閉じ込めているのかということです。
勇は疑いを確かめるため、今度は自分の意思で、もう一度地下室から出ることを決意します。
替霊を繰り返す勇が知る、外の世界とお父様の裏の顔
再び薬瓶の部屋へ行こうとする勇でしたが、今度は扉に鍵がかかっているため、地下室の壁に穴を掘り進めていきます。
ようやく壁を貫通させて部屋へたどり着くと、並んだ瓶にはそれぞれ人の名前が書かれており、勇はタカギケンタという名前の瓶を選びました。
薬液を飲んで入り込んだのは、外で野球をしていた少年・タカギケンタの体です。
勇は周囲の子どもたちに戦争や連合軍、毒ガスについて尋ねますが、返ってきたのは、日本はすでに戦争に負けているという答えでした。
しかも、近くを通りかかったアメリカ兵から、子どもたちがお菓子をもらう光景まで目にします。
お父様から聞かされていた危険な外の世界とは、あまりにも違いますよね。
最初はラジオの情報で疑いを持ち、今度は同じくらいの年頃の子どもたちの話や、目の前の光景によって、お父様の嘘を知ることになったのです。
自分の体に戻った勇は、なぜ嘘をついていたのかと、泣きながらお父様に訴えかけます。
それから勇は、お父様の真意を探るため、身近で仕えている執事・三田村幸四郎の名前が記された瓶を選びます。
ただ、この入れ替わりは勇が相手の体へ入るだけではなく、相手の意識も勇の体へ入ってくる相互交換でした。
そこで市子に協力してもらい、自分の体を縛って目隠しをしたうえで薬を飲み、三田村の体を通してお父様の周辺を探ることにします。
そこで勇が目にしたのは、亡くなったヨツ子の遺体が切断され、ゴミのように扱われている光景でした。
この場面で重要だと感じたのは、遺体の描写そのものよりも、それを見た勇の中でお父様に対する認識が決定的に変わったことです。
お父様を悪魔だと判断した勇は、その元から弟妹たちを連れて逃げなければならないという使命感を抱きます。
一方、勇の体に入っていた三田村も、自分と勇の意識が入れ替わっていることに気づいていました。
三田村が残したのは、日が沈む頃にヨシダウメと入れ替わるよう促す手がかりです。
勇はその言葉を頼りに、自分の身に起きている現象と、薬の正体を知る機会を得ることになります。
三田村が明かす替霊の秘密と、忠告に逆らって動き出す勇
ヨシダウメと記された薬瓶を探し出した勇は、その薬液を飲み、寝たきりの女性の体へ入り込みます。
ベッドの傍らにいた三田村は、ヨシダウメの姿をした勇を坊っちゃまと呼び、ここは自分の私室で、彼女は内縁の妻なのだと説明してくれました。
そこで三田村から明かされるのが、薬液と替霊の秘密です。
三田村によると、瓶の中身はさまざまな人間の遺伝子を特殊な溶液に溶かし込んだもので、調合したのはお父様だといいます。
そして替霊とは魂を交換する儀式で、巫女の血を引く家系の女児に、まれに発現する能力なのだそうです。
勇の母も替霊を繰り返していましたが、本来は女性に現れるはずの力が、男性である勇にも宿っていたんですよね。
ここで三田村が味方だと分かったことには安心しましたし、勇自身にそんな秘密があったのかという驚きもありました。
ただ、薬の仕組みが分かっても、お父様が何を目的にしているのかは、まだ見えてきません。
一方の三田村は、勇に二度と替霊を行わないよう忠告します。
母を亡くしてからのお父様は以前とは変わってしまったようで、三田村は勇の行動が知られることを強く警戒していました。
困惑する勇に、生き延びること、何があっても耐え忍ぶことを求め、さらに勇の姉・春子が生きていると明かしたところで、勇の意識は自分の体へ戻ってしまいます。
事情を知る三田村がそこまで警戒しているとなると、お父様の目的と、その先の展開がますます気になってきましたね。
しかし勇は忠告に従わず、これ以上お父様の言いなりにはならないと決意し、替霊を使って調査を続けることにします。
新たに選んだ相手は、村長の娘・宮部あずさと、村のお巡りさん・ウノハラシンノスケでした。
勇はそれぞれの名前が書かれた薬瓶を使い、順番に2人との替霊を行います。
果たして、2人の体に入れ替わった勇は何を目撃したのでしょうか。
この替霊をきっかけに事態は大きく動き、第2巻にもつながる重要な場面となっていますので、ぜひご自身の目でご覧ください。
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まとめ:謎が謎を呼ぶサスペンスの開幕
『替霊~カエ・ダマ~』第1巻は、地下室での生活から謎の薬液、替霊の能力、お父様への疑念へと、次々に新しい謎が生まれてくる内容でした。
サスペンスの第1巻として今後への期待が膨らみましたし、先の読めない展開で読者を引き込む物語の運び方には、宮月新先生らしい手腕を感じましたね。
また、見どころでは詳しく触れませんでしたが、お父様の異常性を感じさせる描写も要所に登場しています。
勇の姉・春子に無理やり出産させているように見える場面や、春子から赤ん坊を取り上げてどこかへ連れていく場面があり、亡くなった母・千代の体は継ぎはぎだらけの状態で薬液の中に保存されているのです。
勇は母と姉が空襲で亡くなったと聞かされていましたが、実際には母の遺体が残され、姉についても生存を示す情報が出てきました。
千代を必ず蘇らせようとする執着と、ヨツ子の遺体に対する扱いを見ていると、お父様の危険さが伝わってきます。
戦争を通じて、お父様を大きく変えてしまうような出来事があったのかもしれませんが、そこはまだ読了後の推測にすぎません。
何のために子どもたちを監禁し、千代を蘇らせようとする行動と替霊の研究がどうつながっているのか、本当の目的は依然として分からないんですよね。
そして勇たちは、お父様の呪縛から逃れることができるのでしょうか。
謎が謎を呼ぶ展開が繰り広げられる『替霊~カエ・ダマ~』第1巻、次巻以降の展開も非常に気になります。
『替霊~カエ・ダマ~』2巻(6話〜)の発売日はいつ?
第6話以降が収録された『替霊~カエ・ダマ~』第2巻の発売日は、まだ未定のようです。
今から続きが待ち遠しいですね。
以上、『替霊~カエ・ダマ~』第1巻の見どころ&感想記事でした。
ありがとうございました。

