[ネタバレ注意]『アクタージュ』第6巻|恩人の死を乗り越えついに舞台『銀河鉄道の夜』クライマックス!

本サイトのコンテンツには、商品プロモーションが含まれている場合があります。
Pocket

今回は、ついに演劇編のメインである舞台『銀河鉄道の夜』のクライマックスを迎える『アクタージュ act-age』、その第6巻の見どころ&感想記事です。
(※ネタバレを含みます。)

その表紙がこちら。

アクタージュ act-age 6 (ジャンプコミックス)

「カムパネルラ」(夜凪)と「ジョバンニ」(阿良也)の2人が鉄道の椅子に手を繋いで座っています。

それにしても、本当に別人かと思うほど役に入り込んでいますよね…。

 

〜追記〜
第7巻以降の記事一覧はこちら↓
『アクタージュ』の記事一覧

 

上の表紙の画像には表示されていませんが、この『アクタージュ』第6巻のコミックスの帯はなんと、この劇団天球の舞台『銀河鉄道の夜』の鑑賞券のデザインになっているんです。

【出演】に 明神阿良也 夜凪景 と書かれていたり<営利目的の転売禁止>とかかれていたり、その内容も絶妙に凝っているんですよね。

こういった遊び心も電子版にはない紙のコミックスの良さですよね。

 

今回の記事では、そんな『アクタージュ』第6巻の見どころを、感想も含めてまとめてみました。

ネタバレを含みます。ご注意ください。

 

『アクタージュ』5巻の振り返り

以下の記事に『アクタージュ』第5巻の見どころをまとめています。

[ネタバレ注意]『アクタージュ』第5巻|祝!「全国書店員が選んだおすすめコミック2019」第3位!

監督である巌さんが自宅で倒れ危篤状態という最悪の状況で迎えた舞台『銀河鉄道の夜』公演初日。

動揺をあらわにする団員たちでしたが、なんとか夜凪と阿良也のおかげで役者たちは士気を取り戻し、舞台をスタートさせることができました。

しかし出だしの阿良也を筆頭に皆が稽古以上の演技をする中で、星アキラだけが1人置いていかれているような感覚に襲われていたのです。

自分の出番になってもこの場は無難にやり過ごそうという姿勢を取るアキラ。
そんな彼になんと夜凪はアドリブで絡み始めたのです。

果たして彼はこの状況をどう切り抜けるのか…。

 

『アクタージュ』6巻の見どころ&感想[ネタバレ]

では、さっそく第6巻の内容の方に入っていきましょう。

星アキラは夜凪のアドリブを乗り切れるのか…?

舞台上で自分だけが同じ世界を見ることができず、今日はただ何とかその場をやり過ごそうとするアキラに、夜凪は台本にないアドリブで彼に絡み始めます。

ちなみにこれは彼女のイタズラなどではなく、役に入り込み過ぎているがために“カムパネルラ”として彼を単純に心配して出たセリフです。

決まったセリフが無いことに恐怖を感じるアキラ。

しかし“カムパネルラ”の「(死んでしまったことは)本当に正しかったのですか?」という心からの訴えに、彼は自分自身の言葉で答えなければいけないと感じ、セットの椅子から立ち上がります。

そしてその直後、彼はなんと観客に背を向けてセリフを言い始めたのです。

当然観客は戸惑いをみせます。

がしかし、彼が背を向けたまま言葉を吐けば吐くほど、視線は主役である夜凪たちの方へ向くのです。

これが、これまでスターとしか扱われてこなかったアキラが脇役としての才能を開花させた瞬間でした。

出番が終わり舞台袖にはけた彼は「頭がごちゃごちゃになってひどい芝居を…」と謝るのですが、阿良也をはじめとするみんなが彼の芝居を褒めました。

ここで一旦幕が降ります。

 

これまで巌さんがアキラをキャスティングした理由は秘密にされてきましたが、いい意味での“ダサい役者”として脇役の才能を見出していたからだったんですね。

足を引っ張ってしまっている描写が長く続いた分、その彼の素晴らしい演技が描かれた時はトリハダがたつほど感動してしまいました。

 

憑依型カメレオン俳優・明神阿良也の真骨頂発揮!

幕が開けると、阿良也の一人芝居で「回想」のシーンが始まりました。

そこで“ジョバンニの虚無”の感情を演じていた彼ですが、一度舞台が暗転し再び明るくなった時にはシーンは銀河鉄道の中に戻っており、“ジョバンニ”の表情は一転して“幸福”に満ちた表情をしていたのです。

その研ぎ澄まされた相反する感情の演じ分けは、スターズの社長である星アリサが危うさを覚えるほど完璧なものでした。

夜凪(カムパネルラ)と巌さんを同一視することで稽古の比ではないほど役とシンクロする阿良也。

これが、不幸も幸福も、全ての経験を喰って芝居をする“憑依型カメレオン俳優”明神阿良也の真骨頂です。

 

この“マンガ”という動きのないコンテンツでも阿良也の演技の素晴らしさが伝わってくるのは、漫画担当の宇佐崎しろ先生の圧倒的画力によるものだと思います。

このシーンの阿良也(ジョバンニ)のすべてのコマを見返してみたのですが、どれもその時の彼の感情に合わせて完璧に描き分けられているのです。

1度ストーリーを追って読んでいた時には気がつかないことでした。
この記事を書くことによって、気づくことができてよかったです…。

 

そして、“カムパネルラ”と“ジョバンニ”の別れの時…

いよいよ“カムパネルラ”と“ジョバンニ”の別れの時がやってきます。

「ずっと一緒にいようねぇ」と言う“ジョバンニ”。
しかし“カムパネルラ”はそれには答えず、「僕もう行かなくちゃ」と席を立ちます。

本来であれば、ここで“カムパネルラ”は音もなく立ち去り、“ジョバンニ”は現実へと戻っていくのですが、ここであるトラブルが。

なんと阿良也が景(カムパネルラ)と巌さんを重ねすぎるあまり、去り行く“カムパネルラ”の手を「いやだ」と掴んでしまったのです。

そのまま抱きついて膝をついてしまう阿良也。
芝居と現実の狭間で、彼は動けなくなってしまったのです。

そのまま、30秒以上が経ちました。
もう一度彼を立ち上がらせたもの、それもやっぱり巌さんとの思い出でした。

「ああ良かった 僕は行くよ」

そう言って“カムパネルラ”は“ジョバンニ”の元を去り、“ジョバンニ”が現実へと戻ってきたところで、この舞台『銀河鉄道の夜』はおしまいです。

 

このシーンの間に阿良也と巌さんの回想シーンがあったのですが、そのせいでその後の“ジョバンニ”と“カムパネルラ”のシーンで余計に感情移入してしまい、読んでいる僕まで少しうるっときてしまいました…。

そしてもう一度幕が上がり、演者全員でのカーテンコールを最後にこの第6巻もおしまいです。

 

スポンサーリンク

まとめ

まさか『銀河鉄道の夜』と言う作品にマンガで初めて触れることになるとは思ってもみませんでいたが、この夜凪と阿良也の演技でこの作品を見ることができてとても嬉しく思っています。

この第6巻を閉じた時、2つの作品を同時に読み終えたような、これまでに感じたことがない満足感を感じることができました。

それもこの“マンガ”というコンテンツにおける「構成」と「作画」が素晴らしかったからですね。

僕はこれまで舞台というものにはあまり興味がありませんでしたが、これを機に一度見てみたくなりました。

次の夜凪の役にも期待が膨らみます。

 

スポンサーリンク

〜追記〜

『アクタージュ』7巻の感想記事

以下の記事に『アクタージュ』第7巻の見どころをまとめています。

合わせてご覧ください。

[ネタバレ注意]『アクタージュ』第7巻|舞台の次は学園祭自主製作映画編に突入!

 

以上、『アクタージュ』第6巻の見どころ&感想記事でした。
ありがとうございました。