[ネタバレ注意]『アクタージュ』最終第12巻|両サイドの舞台『羅刹女』初日公演がついに終了!

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※『アクタージュ act-age』は、原作のマツキタクヤ氏の逮捕を受けてこの第12巻が最終巻となります。第13巻は発売、配信が中止となりました。

今回は、ついに現実でも『銀河鉄道の夜』の舞台化が発表された王道役者マンガ『アクタージュ act-age』、その第12巻の見どころ&感想記事です。
(※ネタバレを含みます。)

その表紙がこちら。

アクタージュ act-age 12 (ジャンプコミックスDIGITAL)

第11巻と対になるような真っ赤な背景の前に、“羅刹女”の格好をした百城千代子が描かれています。

内側に怒りを秘めていたような夜凪とは違い、微笑むような表情に美しさを感じますね。

 

さて、冒頭にも書きましたが、ついにこの『アクタージュ』が舞台化が決定しましたね。
おめでとうございます!

題目は夜凪が亜良也とダブル主演を努めた『銀河鉄道の夜』で、2022年の上演を目標に2020年の6月からオーディションが開始されたみたいです。

2020年7月時点ではまだ詳細は出ていませんが、本編でも話題となったあの舞台を現実で見ることができるとあって、もうすでに期待が膨らんでいます。

舞台の情報については随時公式サイトで公開されていくはずなので、気になる方はぜひ下記リンクからご確認ください。

※『アクタージュ act-age〜銀河鉄道の夜〜』は、原作のマツキタクヤ氏の逮捕を受けて舞台ならびにオーディションは中止となりました。

舞台「アクタージュ act-age〜銀河鉄道の夜〜」公式サイト

 

今回の記事では、そんな『アクタージュ』第12巻の見どころを、感想も含めてまとめてみました。

ネタバレを含みます。ご注意ください。

 

『アクタージュ』11巻の振り返り

以下の記事に『アクタージュ』第11巻の見どころをまとめています。

[ネタバレ注意]『アクタージュ』第11巻|怒りで極限状態の夜凪を終幕まで導けるのか…!

 

では、さっそく第12巻の内容の方に入っていきましょう。

 

『アクタージュ』12巻の見どころ&感想[ネタバレ]

サイド甲初日公演後、役者たちは何を語るのか…?

“舞台を捨てて夜凪の芝居を守る”という台本放棄の選択をして、『羅刹女』の初日公演を終えたサイド甲。

そのトラブルには観客も気付いていたようで、ざわつく会場の中でこれまでに彼女と共演したことのある人たちはその状況に心配や哀れみの言葉を口にしていました。

ただ、閉幕後に申し訳なさそうにする夜凪に王賀美さんは「良い芝居だったよ」と声をかけ、「あれ(夜凪の演技を止めた)は俺たちみんなの選択で俺たちみんなの全力だった」と、誰1人として後悔はしていないようでした。

そして夜凪はその後花子さんに「どうして1人で苦しみ続けたの?私たちがいたのに」と問い、その答えは口にされないまま物語はサイド乙の初日公演へと進んでいきます。

 

この初日公演の夜、夜凪は花子さんを家に招いて2人で話をし、自分の覚悟が足りなかったことや花子さんが1人切りだったことに気付けなかったことについて謝っていました。

個人的には素人の演出家である花子さんに振り回されたサイド甲の役者たちが不便でならないのですが、ここからサイド乙の演出家である黒山さんの機転によって、逆サイドの彼らも共に救われていくこととなります。

 

サイド乙開演!千代子の羅刹女が会場を虜にする!

夜凪の羅刹女を見て千代子は「勝てない」と1人落ち込んでいましたが、黒山さんに連れられて『デスアイランド』を観たことで、「意図的にあのクライマックスを作り出す」という打開策を見つけます。

そしていよいよ『羅刹女』サイド乙公演初日の幕が上がりました。

真っ暗闇の中から顔を隠しながら現れ、天使のような顔を見せたかと思えばその表情に反したような恨み言を吐き続ける千代子を見て、そのギャップに“恐怖”を感じてしまう観客たち。

さらにそこにまるで本物の獣のような動きをする亜良也の孫悟

の登場に合わせて千代子も獣のような表情と動きをするようになり、その“天使”と“悪魔”の2つの表情を交互に見せつけられることによって観客たちはより一層「もう一度天使の顔が見たい」と彼女に惹きつけられていくのです。

そんな彼女の演技を見て、すでに昨日の初回公演の出来から「もう負けた」と思っていた夜凪も「私たちだってまだ明日も明後日もあるんだから」と再び対抗心を燃やしていました。

そうして、ついにサイド甲のクライマックスがトラブルだったということが確信的なものになってしまう、サイド乙のクライマックスの時がやってきます。

 

このサイド乙の『羅刹女』は千代子や亜良也の演技力がすごいのはもちろんなのですが、それ以上に黒山さんの演出家としての技量に驚かされましたね。

舞台と共に描かれていく稽古中の指導の全てがまさにプロといった感じで、危なかしかった花子さんの後なだけに、素人目に見てもかなり信頼感のおける演出家なんだと思わされました。

そんな彼の元でこれからも飛躍し続けていく夜凪の今後がますます楽しみですね。

 

サイド乙のクライマックスは予想だにしない展開に!

『羅刹女』サイド乙の公演も進み、いよいよ王賀美さんが夜凪の演技を止めた「羅刹女が自ら火焔山の炎を鎮める」シーンがやってきました。

ここで千代子が台本通りに「芭蕉扇を扇ぎ火焔山の炎を消す」演技をすれば、サイド甲との演出の違いから「王賀美さんが台本を無視して勝手な行動を取った」ということが観客たちに明らかになります。

しかし、そのクライマックスでなんと亜良也(孫悟空)が千代子(羅刹女)の芭蕉扇を振るう腕を止めたのです。

つまり、サイド乙がサイド甲のアクシデントに合わせることによって、王賀美さんの行動を「羅刹女の人物描写」へと昇華させたことになりました。

それもこれも、黒山さんがこの『羅刹女』を“怒り”の物語ではなく“救い”の物語だと解釈したため。

そうして、サイド乙は台本の変更を観客に認めさせてスタンディングオベーションを受けながら幕を下ろすこととなりました。

 

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まとめ

この記事を書くためにこの『アクタージュ』第12巻を何度も読み返したのですが、何回見ても最後の亜良也が千代子の腕を止めるシーンには鳥肌が立ちましたね…。

「ダブルキャスト」というこのマンガでしか描かれないバトルシーンを、こんな形で少年マンガらしい“主人公が成長できる負け方”につなげていくのはさすがだと思いました。

また、この巻の最後には1ヶ月間の公演を終えて焼肉屋で打ち上げをするサイド甲乙のメンバーたちの様子が描かれており、そこはピリついた雰囲気もなく和気あいあいとした夜凪たちの様子を見ることができましたよ。

これまでに夜凪が共演してきた仲間でありライバルである役者たちが一堂にそろったこの「ダブルキャスト編」、作品史上一番読み応えのあるエピソードでした。

 

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『アクタージュ』13巻の発売日は?

※『アクタージュ』第13巻は原作のマツキタクヤ氏の逮捕を受けて発売中止、配信停止となりました。

 

以上、『アクタージュ』最終第13巻の見どころ&感想記事でした。
ありがとうございました。